広島観光で宮島の「あなごめしべんとう」は外せない!
広島観光に出かけるなら、宮島のあなごめしべんとうを一度は食べなければ、広島に行く意味がないと言う人もいます。あなごめしべんとうは、広島駅をはじめ、県内でよく見かけますが、宮島のあなごめしべんとうはまったく別物で、ここのものでなければ、食べたうちに入りません。
宮島とは、厳島の別名です。安芸の宮島と呼ばれ、古代から神聖視されていた、広島県廿日市市の瀬戸内海上に浮かぶ島で、広く知られる厳島神社が出来上がったのは、平安末期のことだと言います。 日本三景のうちのひとつに挙げられるほどですから、この土地にわざわざ遠方から赴くという人は多いはずです。海上に浮かぶ大鳥居と社殿は、他では見られない構造であり、その美しさも格別です。
また、秋の紅葉谷や弥山は紅葉の名所としても知られており、宗教的な意味合い以上に国内屈指の観光名所となっています。初代内閣総理大臣伊藤博文も、この神社を厚く信奉していた人物のひとりで、広島名物のひとつであるもみじ饅頭は、宮島を訪れた伊藤博文が、茶屋で茶を差しだした女性の手を見て、焼いて食べれば美味しそうだと冗談を言ってからかったエピソードから生まれたと言われています。
宮島 老舗うえの あなごめしべんとう
宮島の観光と並んで評されるのが、100年以上も続く老舗うえののあなごめしべんとうです。うえのはJR山陽本線の宮島口駅の近くにあります。 宮島口駅は、広島駅から25分ほど電車に乗ったところにあり、文字通り宮島への入り口となる駅です。井戸のポンプが生まれ変わった、木製ロボットのタニキチが軒先に立っており、そちらを目印にすることができます。
うえのは宮島口駅で、明治の時代からあなごめしべんとうを駅弁当として販売してきました。厳島と、瀬戸内海の近海で育まれた地元のあなごを材料に用いており、当時から変わらない味を守り抜いています。
あなごとうなぎの大きな違いは、鱗があるかないかで、あなごには鱗がありません。しかし、美味しいものほど脂がのっているのは同じです。 また、あなごの生態は、うなぎ同様未だに謎に包まれている部分が多く、主に繁殖関係を中心にして、推論の域を出ない説が多く見られます。そのため、あなごを、少なくとも国内で養殖することは不可能で、現在口にできるあなごはすべて、国内の底引き網漁で捕れたものか、輸入したものかのどちらかになります。
広島の、特に海に面している地域で、あなごめしべんとうをよくみかけるのは、それだけ近海で新鮮なあなごが捕れるからこそなのです。
うえののあなごめしべんとうの米はもち米を少し混ぜ、ふっくら炊きあげられたご飯で、醤油をベースにした独自の味付けがされています。新鮮な地物にこだわったあなごが上に並べられ、女性ならちょっと残してしまうかもしれないほどボリュームたっぷりなのも特徴です。
味飯とあなごがよく馴染むので、冷めても美味しく、駅弁当としては最高の出来上がりになっています。パッケージも、昔ながらの折ぎ折に、歴史を感じさせるレトロな印刷の包み紙が用いられていて、自然のぬくもりを感じることができます。
できたての熱々のご飯で頂く あなごめしべんとう は格別
宮島のあなごめしべんとうは、宮島口駅で購入することもできますし、うえのの店舗で頂くこともできます。できたての熱々のご飯で頂くあなごめしは格別ですが、人気のお店であるため、悪天候でも店の外に長蛇の列ができることもあります。 順番を待つことを覚悟で向かった方が良いでしょう。
席の予約はできませんが、こちらの店舗で朝9時からあなごめしべんとうを予約することは可能です。しかし、お店のメニューはお弁当よりも豊富で、穴子の白焼きや、あなごめしのサイズも3種類から選ぶことができたりします。
もみじ饅頭をデザートに、あなごめしべんとうを宮島観光の行き帰りに食べるのもおすすめですが、こちらのお店で温かいあなごめしを頂くのは、また格別です。